< 安全衛生手続関係の一部の電子申請義務化と
労働者死傷病報告の提出>
事業者は、労働災害が生じたとき、健康診断を実施したとき、安全管理者等を選任したとき等には、各種の届出・報告をすることが義務付けられており、これらの手続きの一部は、令和7年1月1日から電子申請により行うことが原則として義務化されます。
今回は、労働安全衛生関係の手続き電子化のことに加え、「労働者死傷報告」の概要を併せてお伝えします。
小規模事業者においては、安全衛生関係の手続きを把握していなかったために未届出となってしまうケースもあります。
また、届出の制度を認識していながら意図的に労災発生時の手続きを行わない場合は「労災かくし」と判断され、罰則につながる恐れもありますので、適正な手続きの把握・実施をしていきましょう。
一 電子申請の義務化
(1)電子申請義務化の背景
労働安全衛生法やじん肺法等においては、労働者の被災状況や健康状態、事業者が講ずべき措置の実施状況等を把握し、法令で定められた義務等の履行の確保等につなげるため、事業者に各種の報告義務を課しています。この報告に基づいて、労働災害の発生の背景・原因を正確に把握し、集計・分析することで、労働災害の防止対策の検討等に役立てられています。
これらの報告は、すでに電子申請が可能とされているものの、書面による報告が多くを占めているのが現状です。
統計の集計はもとより、報告内容の誤記や記入漏れ等を防止して行政事務の効率化を図るために、厚生労働省お「オンライン利用率引上げに係る基本計画」において、労働安全衛生法の規定に基づく労働基準監督署への報告のうち、年間手続件数が10万件以上のものについて、令和8年度末までにオンライン利用率を20%まで引き上げることとされました。
(2)義務化の対象手続き
労働安全衛生関係のうち、令和7年1月1日から電子申請が義務化されるのは、報告数の多い次の8つの手続きです。
@労働者死傷病報告
A総括安全衛生管理者/安全管理者/衛生管理者/産業医の選任報告
B定期健康診断結果報告
C心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告
D有害な業務に係る歯科健康診断結果報告
E有機溶剤等健康診断結果報告
Fじん肺健康管理実施状況報告
G事業の付属寄宿舎内での災害報告
(3)電子申請の方法
・e‐Gov電子申請
・労働安全衛生法関係の届出、申請等帳票印刷い係る
入力支援サービス
(4)経過措置
申請者が電子申請を行う端末等を所有していないなど、電子申請を行う環境が整っていない場合も考えられることから、当分の間、経過措置として書面による報告を行うこともできます。
二 労働者死傷病報告
労働者死傷病報告は、労働者が労働災害等により死亡し、または休業した場合に所轄労働基準監督署長に提出することが義務付けられているものです。
(1)報告義務者
(2)報告書を提出するとき
(3)報告様式と提出期限
(4)改正による報告事項の追加・変更
@コード入力方式への変更・記載欄分割
A休業4日未満の災害に係る報告
(5)労災かくし
労災かくしにより、災害原因の究明や対策が行われなくなることや、被災した労働者への災害補償が行われないこと等の弊害が生じることがあり、また、事業者に対しては50万円以下の罰金刑が科されることがあります。
労災関連の届出については、長尾事務所にて承っておりますので、労災事故が発生した場合は速やかに、長尾事務所まで、ご連絡ください。
詳しい内容は、事務所だより11月号に掲載しておりますので、ご参照ください。
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詳しい内容は今月号の長尾事務所だよりをご覧ください。
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